期間工の仕事はマイペースでできるものではなく、周囲の流れも意識してついていくことが重要です。そのため、このような工場での勤務の経験がないなら最初はかなり苦労するものですが、仕事の覚え方にはコツがあります。
自動車やその部品の製造工程を初めて担うのでしたら、そこまで厳しい工程を任されることはないと思いますが、少しでも経験があったり、出来るだろうと見込まれると複雑でカンやコツまでも要求されるトンデモないところを任されてしまうケースもあります。
私も「これぜってー1人じゃ無理だろ!」というところや「イヤ、マジホントに勘弁してつかーさい。」というところを何度か経験しています。
というわけで期間工初心者から玄人まで実作業で役に立つ些細な事ですが、まとめてみましたので参考にされてみて下さい。
体で覚える
研修があるので未経験でもそこまで心配する必要はありませんが、それでもいきなり仕事を始めればうまくいかないのは当然です。
実際に仕事を続ければある程度は慣れてくるものなので、体に覚え込ませるまで仕事を継続しなければいけません。期間工として働き始めたのに数日程度、下手をしたら1日や2日で逃げ出してしまうなんてケースも存在しており、それだけきつい仕事であるのは事実です。
しかし、実際に仕事を継続してみないと技術面での上達は望めませんから、まずは短期間で逃げ出さないようにしっかり強い気持ちを持つのが重要なポイントです。初日からきつい仕事が続くので、最初は仕事のコツを得られるどころか付いていくのが精一杯ですから、まずはある程度を体で覚えられるように仕事を続けてみてください。
ほとんどの場合下にあるメモを取る必要などなく1週間から2週間程度で独り立ち出来ると思います。
メモを取る
完成車両工場では、ほぼありませんが、部品メーカーで複数の工程の設備のオペレーターをやる場合などは、メモ書きが有効です。
メモを取ることも重要であり、期間工の仕事でもメモなしではなかなかうまくいかない工程もあります。複数の長い工程を一日で何ヵ所も担当したりする場合です。
「あ…ヤベェ…忘れた…」では仕事になりませんし、「1回で覚えて下さい。(覚えてね。)(覚えろ!)」といった教え方をする方も中にはいると思いますので自分が思い返せる何かが必要になってくることもあります。
期間工の仕事はある意味では単純作業ではあるものの、作業の内容がかなり複雑な部分工程はあるので、そういう工程はメモを取らずに覚えるのは至難の業となるでしょう。
もちろん、メモなしでも時間をかければ十分に覚えられるレベルではあるものの、普通にメモを取って上手くいかないときにメモを読み直したり覚えなおす方が遥かに効率的です。
どのように作業をするかなどのメモを取るのはどのような仕事でも必須と言っても過言ではありませんが、実際にはメモを取っていても作業の上手い下手が出てきます。この辺りは手先の器用さなど身体能力も関係してくるので一概には言えませんが、メモをどれだけ活かせるかがポイントです。
メモを取っていてもそれを作業に活かせないのであれば、メモを取っていないのとそれほど違いはありません。
何かメモを取る機会があったのなら、仕事が終わってから何回も確認して体に覚え込ませる必要があります。
文字を見ても今ひとつイメージができないなんてケースも多いので、実際の作業内容をイメージトレーニングしてしっかりと動けるように意識しましょう。
また、覚えるべきことが特定の作業のみというケースは少なく、実際は作業の内容やトラブルが起こった時の対応など、複数の工程に分かれています。
メモが増えてくればくるほどに整理整頓をするのが重要で、整理整頓ができていないと何をどうすればいいか分からず、メモの効果があまり発揮されません。必ずメモは作業の内容ごとに整理しておき、カテゴリーごとにしっかりとイメージトレーニングして、対応できるようにするのがポイントです。
多分、部品メーカーでの工程を経験したことない期間工経験者は「マジメかよ!」とツッコミを入れたくなる内容かもしれませんが、デンソーのリピーターの方は過去にちっさいですがノート丸々一冊手順をメモったという人がいました。
私もデンソーでは週末の手仕舞い(設備やエアやコンプを落とす)をメモしました。必ず手順通りにやらないと翌週の立ち上げ時に異常事態が発生するのでここは万全を期しました。
難しい作業はコツや要領を聞く
期間工としての作業は初心者でもできる簡単なものから、かなり複雑で難しいものまであり、この作業内容によって対応も変わってきます。
難しい作業は基本的に誰がやっても苦労するので、メモをしっかりと取ってもなかなか実践ではうまくいかないケースが出てくるのです。
複雑な作業をメモやイメージトレーニングのみでこなすのはほぼ不可能なので、手に負えないようなら素直にコツや要領を尋ねておきたいところです。
仕事内容を尋ねられることを嫌がる人もいないわけではありませんが、基本的には尋ねればしっかり教えてくれます。
何故なら、同僚の作業は自分の作業にも大きく関わってくるからであり、何か分からないところを残しておく方がよっぽど不安だからです。
そのため、何か分からないことがあるのに放置しておくのは賢明な判断ではなく、積極的にコツや要領を尋ねてください。
もちろん限度はあり、何か分からないことがあっても何度も繰り返して尋ねるのは嫌がられます。そのような場合は、以前に教わったことで何か納得できない部分があるなど、しっかりと理由を用意してから尋ねるように工夫して下さい。
全体の流れを把握
目の前の仕事内容に追われて何事もうまくいかない、これは期間工の仕事に関わらずよくある話です。
期間工として働くなら目の前に流れてくる部品をしっかりと扱わないといけないので、余計に目の前の仕事内容に気を取られます。
先に書いたように、最初は仕事に付いていくだけでも大変なので、ある程度は仕方がない部分がありますが、少しでも慣れてきたのなら他の流れも意識して仕事をしてみましょう。
工場内での作業には必ずどれも意味があるので、この作業は全体のどの部分に当たるのか、どのような意味を持っているのかを知った上で仕事をすると理解が深まります。
慣れで何となく仕事を進めることもできますが、詳しく流れを把握すればより的確に仕事をこなせるので、余裕が出てきたら必ず全体の流れを把握するのが良いはずです。
自分の作業だけでなく周囲の作業、そして全体の流れを知ることでより期間工としてレベルアップできます。
期間工として長く働いてお金を稼ぐ予定なら、なるべく早い段階で全体の流れについて把握したいところです。
まとめ
まずは体で覚えることが一番です。見ているのと作業をやってみるとではかなりの違いがあります。
個人の身体技能や年齢によっても習熟度は変わってきますが、もう一つ大事なことがありました。
教える側の指導力です。
下手な方や変わったやり方をしている方に教わると習熟期間が延びてしまうことは間違いないでしょう。逆にあまりに高度なやり方も身に付けるのに一苦労です。
標準的なやり方を自分なりにアレンジしてもっともやりやすい作業を体得するのが安全にもつながると考えています。